【2017】静かにしろい…このカードが…
その後、沖縄から戻り、午後から仕事に出たラオちゃんでした。
ここでラオちゃんの仕事について少々説明を…
ラオちゃんは今、月収15万のとある小売店で販売士をしています。
ただでさえ安い月収で修行費用を捻出する暮らしに耐え、日々お客様のご要望に柔軟に対応する中でストレスとも戦っています。
そんな中で修行で大好きな飛行機に乗ることは、大きな喜びです。
特に修行明けで、最高にリフレッシュした状態での仕事はやる気も違います。
いつにも増して接客にも情熱が注がれます。
ところが、そんなハイパーラオちゃんモードを覆すモンスター客が現れたのです。
(ハイパーラオちゃんモードとは、ラオちゃんが確変を起こした時に表れる無敵モードで、ナンパをすれば女の子を捕まえ、家具を売れば高いベッドが売れる最強モードです)
ラオちゃんはこの時、レジ打ちをしていました。
そこにモンスター客が登場…
ラオちゃん「いらっしゃいませ。いつもご利用ありがとうございます。1点で2,000円でございます」
モンスター客「え、これ1,000円じゃないの?」
なぜかこのモンスター客に限って普段起こるはずのない、レジスキャンのエラーが発生したのです。
1,000円の商品をスキャンしたところ、2,000円と表示され、お客様からのお声掛けでミスに気がつきました。
通常スキャンしたバーコードの金額がコンピュータの画面に表示されたものを読み上げ、お客様に金額をお伝えするため、誤った情報に気づかずに金額をお伝えしてしまいました。
この出来事から必ず値札を確認する習慣がつきました。
ラオちゃん「大変申し訳ございませんでした。誤って1,000円のものを2,000円とお伝えしました」
と、ここまでは普通の流れでした。
ここからモンスター客が暴れ始めます。
モンスター客「なんで1,000円のものを2,000円って言ったの?これ1,000円だよね?」
ラオちゃん「大変申し訳ございません。レジのスキャンエラーで誤った金額をお伝えいたしました」
モンスター客「いや、だからなんで1,000円を2,000円って言ったの?」
ここから様子がおかしいとラオちゃんも気づきましたが、笑顔で謝り続けます。
ラオちゃん「大変申し訳ございませんでした。1,000円のものをスキャンエラーで2,000円で読み取りました」
モンスター客「なんで?」
ラオちゃん「申し訳ございませんでした」
モンスター客「頭がおかしいの?」
ラオちゃん「大変申し訳ございませんでした。値札を見落としており、画面の金額をお伝えしてしまいました」
このやり取りが4,5回続きました。
モンスター客「バカじゃねえの」
この言葉を最後に延々と続く罵倒が止みました。
会計を済ませ、お品物を渡したラオちゃんはさっきまでの楽しい気分も打って変わて、非常に苦々しい気分でした。
様々な事情があり、今の仕事につきましたが、これまでも苦しいことはありました。
それでもめげずに働き、安月給で2度目の修行を断念しかけた時もありましたが、また修行に戻ってきました。
しかしミスはたしかにあったものの、ここまで罵倒されて自尊心も限界です。
「おれは何をやっているんだろう…」
むなしい気持ちをひた隠しにしながら、レジ打ちを再開します。
すると、モンスター客の後、1名のお客様がお会計をされました。
そのお客様は金色のカードを出されました。
ラオちゃん(スーパーフライヤーズカードだ…)
このタイミングでスーパーフライヤーズカードを見ることができたのは幸運でした。
「よし、あと25,000PPを貯めて必ずSFCを取るぞ!」
そう心に誓ったラオちゃんはまた笑顔で接客を始めました。
「静かにしろい このカードが… オレを甦らせる 何度でもよ」